このツールでできること
住宅ローンを返している途中で、まとまったお金を使って元金の一部を前倒しで返すことを「一部繰上げ返済」といいます。このツールは、繰上げ返済をすると利息がいくら減るのか、返済期間や毎月の返済額がどう変わるのかを計算します。
繰上げ返済には2つの方法があります。期間短縮型は、毎月の返済額を今までどおりにして、返済期間を短くする方法です。返済額軽減型は、返済期間を今までどおりにして、毎月の返済額を少なくする方法です。このツールは、2つを同じ条件で並べて比べます。住宅金融支援機構の【フラット35】のサイトでも、この2つの方法が案内されています。
使い方
- 当初の借入金額・金利・返済期間:ローンを借りたときの条件を入れます(例:3,000万円・年1%・35年)。
- 返済した回数:繰上げ返済をする時点までに、何回返済したかを入れます。毎月返済なら経過した月数です。10年たったなら 120 回です。
- 繰上げ返済する額:元金に充てる金額を入れます。
- 手数料:繰上げ返済に手数料がかかる場合は、その額を入れます。かからなければ 0 のままで構いません。
結果には、繰上げ時点の残高、2つの方法それぞれの「利息の軽減額」、短縮される期間、新しい毎月の返済額が表示されます。「3つのケースの比較」の表で、繰上げしない場合との違いも確認できます。
計算方法
まず、当初の条件から元利均等返済の毎月の返済額を求め、返済した回数ぶんだけ進めて「繰上げ時点の残高」を出します。そこから繰上げ返済額を引いたものが「繰上げ後の残高」です。
月利 i = 年利 ÷ 12
毎月の返済額 = 残高 × i × (1 + i)n ÷ {(1 + i)n − 1}(n は残りの回数)
期間短縮型:毎月の返済額は変えず、繰上げ後の残高が 0 になるまでの回数を数える
返済額軽減型:残りの回数は変えず、繰上げ後の残高から毎月の返済額を求め直す
利息の軽減額 = 繰上げしない場合の残りの利息 − 繰上げ後の残りの利息 − 手数料
毎月の返済額と毎月の利息は円未満を切り捨て、最終回で残りを精算しています。この方法で、ドコモSMTBネット銀行の「繰上返済」ページに載っている例(3,000万円・35年・年3.0%・10年後に100万円を繰上げ)を計算すると、毎月の返済額は 115,455 円、期間短縮型は残り 23年7か月で総返済額 47,420,210 円、返済額軽減型は毎月 110,712 円で総返済額 48,068,271 円となり、掲載されている金額と一致します。
計算例:3,000万円・年1%・35年のローンで、10年後に100万円を繰上げ
10年(120回)返済した時点の残高は 22,470,680 円です。ここから 100 万円を繰上げると、残高は 21,470,680 円になります。手数料は 0 円とします。
| ケース | 毎月の返済額 | 残りの回数 | 残りの利息 |
|---|---|---|---|
| 繰上げしない | 84,685円 | 300回 | 2,934,924円 |
| 期間短縮型 | 84,685円 | 285回(15か月短縮) | 2,658,551円 |
| 返済額軽減型 | 80,917円 | 300回 | 2,804,281円 |
利息の軽減額は、期間短縮型が 276,373 円、返済額軽減型が 130,643 円です。返済額軽減型では、毎月の返済が 3,768 円楽になります。同じ金額を繰上げても、期間短縮型のほうが利息は多く減ります。
次に、同じ条件で繰上げの時期だけを変えた場合です(100万円・手数料 0 円)。
| 繰上げの時期 | 期間短縮型の利息の軽減額 | 短縮される期間 | 返済額軽減型の利息の軽減額 |
|---|---|---|---|
| 1年後(12回) | 395,706円 | 16か月 | 180,047円 |
| 10年後(120回) | 276,373円 | 15か月 | 130,643円 |
| 20年後(240回) | 155,639円 | 13か月 | 77,305円 |
早い時期に繰上げるほど、その元金にかかる利息の期間が長くなるため、軽減額は大きくなります。また、手数料が 11,000 円かかる場合、10年後の期間短縮型の軽減額は 276,373 円から 265,373 円に減ります。
よくある質問
- 期間短縮型と返済額軽減型は、どちらがよいですか?
- 利息を少しでも減らしたいなら、同じ金額でも軽減額が大きい期間短縮型が向いています。毎月の家計の負担を軽くしたいなら返済額軽減型です。ただし、教育費など将来の支出もあるため、手元の資金を使い切らないように注意してください。
- 繰上げ返済の最低金額や手数料は決まっていますか?
- 金融機関によって違います。【フラット35】の例では、一部繰上返済は窓口で 100 万円以上、インターネットサービス「住・My Note」で 10 万円以上で、どちらも手数料はかからないと案内されています(2026年11月時点)。申込みの時期にも決まりがあるため、借入先の案内を確認してください。
- ボーナス返済を併用している場合は?
- このツールはボーナス返済に対応していません。毎月返済だけのローンとして計算した目安として使ってください。
- 繰上げ返済をすると住宅ローン控除はどうなりますか?
- 控除の適用には、返済期間などの条件があります。期間短縮型で返済期間が短くなる場合は、控除に影響することがあります。個別の判断は、国税庁の案内や税務署、税理士にご確認ください。
注意点
この計算は、元利均等返済・全期間固定金利で、毎月きちんと返済してきたことを前提にした試算です。変動金利で金利が変わった場合や、繰上げ日の日割り利息の扱いは金融機関ごとに違うため、実際の金額とは差が出ることがあります。また、繰上げに使った資金は手元に残りません。生活費の予備資金や、急な出費に備えるお金を確保したうえで検討してください。